遺伝の規則性をわかりやすく|分離の法則と3:1の求め方(顕性・潜性)
この記事の要点
- 親の形質が子に伝わることを遺伝、形質を決めるもとを遺伝子という(本体は DNA)
- 対立形質の純系どうしをかけ合わせたとき、子に現れる形質が顕性形質、現れない形質が潜性形質
- 生殖細胞ができるとき、対になった遺伝子が別々の生殖細胞に入る=分離の法則
- Aa どうしをかけ合わせると AA:Aa:aa = 1:2:1、形質は 顕性:潜性 = 3:1
遺伝と遺伝子
親の形質(形や性質の特徴)が子や孫に伝わることを遺伝といいます。形質を決めるもとになるものが遺伝子で、細胞の核の中の染色体にあります。遺伝子の本体は DNA(デオキシリボ核酸) という物質です。
メンデルのエンドウの実験
オーストリアのメンデルは、エンドウを使って遺伝の規則性を発見しました。
- 対立形質:「丸い種子」と「しわのある種子」のように、どちらか一方しか現れない形質どうし
- 純系:親・子・孫と代を重ねても、形質がすべて親と同じになるもの
子の代
丸い種子の純系(AA)としわのある種子の純系(aa)をかけ合わせると、子はすべて Aa になり、すべて丸い種子になりました。
| A | A | |
|---|---|---|
| a | Aa | Aa |
| a | Aa | Aa |
このように、子に現れる形質を顕性形質(ここでは丸)、現れない形質を潜性形質(ここではしわ)といいます。
以前の教科書では「優性」「劣性」とよばれていましたが、現在は**「顕性」「潜性」**という用語を使います。
分離の法則
減数分裂で生殖細胞(卵細胞・精細胞)がつくられるとき、対になっている遺伝子は分かれて別々の生殖細胞に入ります。これを分離の法則といいます。
Aa の個体からは、A をもつ生殖細胞と a をもつ生殖細胞が 1:1 の割合でできます。
孫の代(Aa × Aa)
子(Aa)どうしをかけ合わせる(自家受粉させる)と
| A | a | |
|---|---|---|
| A | AA | Aa |
| a | Aa | aa |
- 遺伝子の組み合わせ:AA:Aa:aa = 1:2:1
- 形質:AA と Aa は丸、aa はしわ → 丸:しわ = 3:1
メンデルの実験では、実際に孫の代で丸 5474 個、しわ 1850 個となり、ほぼ 3:1 になりました。
解き方のコツ:「親の遺伝子を表の上と左に1文字ずつ書き、マスを埋める」だけで、ほとんどの問題が解けます。
よく出る応用:Aa × aa
孫の代の丸い種子が AA か Aa かを調べるには、潜性形質の純系(aa)とかけ合わせます。
| A | a | |
|---|---|---|
| a | Aa | aa |
| a | Aa | aa |
Aa × aa → Aa:aa = 1:1(丸:しわ = 1:1)。もし AA なら、すべて丸(Aa)になります。
確認問題
親の形質が子や孫に伝わるとき、形質を決めるもとになるものを何といいますか。
遺伝子(細胞の核の中の染色体にある)
遺伝子の本体である物質を何といいますか。
DNA(デオキシリボ核酸)
対立形質の純系どうしをかけ合わせたとき、子に現れる形質を何といいますか。
顕性形質(子に現れない形質は潜性形質)
卵細胞や精細胞などの生殖細胞がつくられるときの、特別な細胞分裂を何といいますか。
減数分裂
生殖細胞ができるとき、対になった遺伝子が分かれて別々の生殖細胞に入ることを何といいますか。
分離の法則
丸い種子の純系(AA)としわのある種子の純系(aa)をかけ合わせました。子の遺伝子の組み合わせと形質を答えなさい。
すべて Aa で、すべて丸い種子になる。
Aa どうしをかけ合わせたとき、孫の遺伝子の組み合わせ AA:Aa:aa の数の比を答えなさい。
AA:Aa:aa = 1:2:1(形質は 顕性:潜性 = 3:1)
Aa どうしをかけ合わせて得られた個体が 800 個あるとき、潜性形質を示す個体はおよそ何個と考えられますか。
顕性:潜性 = 3:1 なので、800 × 1/4 = およそ 200 個
Aa どうしをかけ合わせて得られた個体のうち、顕性形質を示すものが 600 個ありました。このうち遺伝子の組み合わせが AA のものはおよそ何個ですか。
顕性形質は AA:Aa = 1:2。600 × 1/3 = およそ 200 個
丸い種子(顕性形質)の遺伝子の組み合わせが AA か Aa かを調べるには、どうすればよいですか。結果の見分け方も答えなさい。
しわのある種子の純系(aa)とかけ合わせる。できた種子がすべて丸なら AA、丸:しわ = 1:1 なら Aa。